米俳優のニコラス・ケイジ氏が、保有するニューオーリンズの邸宅2軒が差し押さえ物件となり、先週12日に競売で計450万ドル(約4億500万円)で落札されたことがわかった。同氏は200万ドル(約1億8000万円)の債務不履行で銀行から訴えられているほか、630万ドル(約5億6700万円)の税金を滞納している。
1981年にデビューし、95年の映画『リービング・ラスベガス』でアカデミー主演男優賞を受賞しハリウッドを代表する俳優に上り詰めたニコラス・ケイジ氏。昨年の年収は3800万ドル(約34億円)も達していたのに、なぜ借金地獄に陥ってしまったのだろうか。まず経済的破綻の主な原因としてあげられるのが、浪費癖だ。同氏はカーマニアでフェラーリやランボルギーニを含む50台を所有。さらにジェット1機、ヨット2艘、3つの城に加え、バハマ諸島に島を2つも所有しているという。こうした無駄遣いが資産を減らしていったようだ。
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また投資にも失敗していたことが明らかになっている。サミュエル・レヴィン氏をビジネスマネジャーに招き、豊富な資金を運用して資産増殖を図っていたが、不況の影響もあって失敗し、儲けるどころか多額の損失を被ってしまった。
ケイジ氏は、運用に失敗し財政難を引き起こしたとして、レヴィン氏に対し、2000万ドル(約18億円)の損害賠償を起こしている。レヴィン氏はビジネスマネジャーとして契約していた01年から08年までケイジ氏から何百万ドルもの多額の報酬を受ける一方で投資に失敗していた。しかしケイジ氏はこの間、彼を信用し続け、新しいマネージャーを雇うまで自分が金銭トラブルに陥っていることに気付かなかったという。
多額の年収を得ていながら破産寸前に追い込まれている背景には、こうした散在と運用失敗があったが、消費・投資どちらも余裕資金で行わなければならないことは初心者投資家でも知っている資産運用の基本だ。米国にも昔から「ひとつの籠に卵全部を盛るな」という投資の格言があるが、これは「ひとつのかごに卵を一緒にして転んだら、すべての卵がつぶれてしまうから、いくつかのかごに分けて保存しなさい」という意味。運用を他人に任せる場合は、それがたとえプロであっても、失敗した場合のリスクを考えておく必要があっただろう。
米メディアによると、同じハリウッド俳優で親友のジョニー・デップ氏が借金の肩代わりに名乗りを上げたようだが、現在の借金を返済しても、お金に対する考え方を見直さない限り、同様の事態が繰り返される可能性が残る。
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